研究課題/領域番号 |
05804047
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物生理
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研究機関 | 東京薬科大学 (1994-1995) 東京大学 (1993) |
研究代表者 |
都築 幹夫 (都筑 幹夫) 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (70155430)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1995年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1994年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1993年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | ピレノイド / 緑藻 / クラミドモナス / Rubisco / デンプン / starch |
研究概要 |
単細胞緑藻クロレラやセネデスムスでは、ピレノイドとそのまわりのデンプン鞘が低いCO_2濃度条件で発達する。クラミドモナスでもピレノイドデンプンの発達が知られていたが、顕微鏡観察によるだけで生化学的な解析はほとんど行なわれていない。そこで、まずピレノイドの大きさを定量化したところ、5%CO_2濃度で生育した細胞(高CO_2細胞)と通常の空気(約0.04%CO_2)で生育した細胞(低CO_2細胞)ではそれぞれ1.11と1.69μmの直径であった。ピレノイドを球形と仮定すると、低CO_2細胞のピレノイドは、高CO_2細胞の約3倍に増加していることになった。この増加がピレノイド成分の増加に伴なったものかどうかを調べるため、単離ピレノイドの純化を進めた。水銀固定と密度勾配遠心により、また単離ピレノイドを顕微鏡下で数えることによって、タンパク質量がピレノイド1個あたり、高低両CO_2細胞でそれぞれ5.12μgであることが判明した。ピレノイドの主成分は、いづれのCO_2濃度でもRubiscoであった。この結果から、低CO_2濃度条件で、Rubiscoがピレノイドに入ることによって、ピレノイドが発達していることが明らかとなった。 クラミドモナスにはRubisco大サブユニットは遺伝子が1つ、小サブユニットの遺伝子は2つ存在する。低CO_2条件に移した時、rbcS2の発現は高CO_2条件下と変らなかったが、rbcS1の転写はむしろ抑えられた。また、フロラムフェニコールを処理しても、低CO_2条件でのピノレノイドの発達は認められた。これらの事実は、ピレノイドが発達すま時、Rubisco遺伝子の転写は促進されず、また、タンパク質合成と関係なく発達が進むことが明らかとなった。既に合成され葉緑体内に存在するRubiscoが、低CO_2条件になるとピレノイドに集合すると考えられる。
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