研究課題/領域番号 |
05804049
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物生理
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
井上 弘 富山大学, 理学部, 教授 (50109097)
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研究分担者 |
蒲池 浩之 (蒲地 浩之) 富山大学, 理学部, 助手 (40262498)
與志平 尚 富山大学, 理学部, 助手 (50242475)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1994年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1993年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 胞子発芽 / シダ / ゼンマイ / 葉緑体 / 蛋白質分解 / プロテアーゼ |
研究概要 |
1。葉緑体の分裂・増殖制御の分子レベルにおける機構解明の手がかりを得るために、研究材料としてゼンマイの緑色胞子に着目し、分子レベルに繋がる現象の収集とその解析をおこなった。 2。吸水後胞子を、光の下で20時間培養すると発芽が始まり、葉緑体も分裂・増殖を開始する。吸水直後の胞子葉緑体と2日間培養した細胞の葉緑体のポリペプチド組成を比較すると、胞子葉緑体に多量に存在していた22kDポリペプチドが2日間の培養で消失した。重要なことは、この蛋白を特異的に分解するプロテアーゼは吸水直後の胞子葉緑体内に既に存在しているが、発芽が開始しないと葉緑体内のこの蛋白分解酵素は活性を発現しないことである。もし培養液にシクロヘキシミドが存在すれば、発芽しない胞子のままであるが、胞子の光合成活性は十分に高い活性を獲得するので、葉緑体の中には異常に多量のデンプンが蓄積してくる。また、22kDポリペプチドも消化しない。 3。22kDポロペプチドを完全に精製した。それは80kD(4量体)の塩基性蛋白で、N末端アミノ酸配列から、全く新しい蛋白であることが明確になった。これを特異的に分解する酵素は105kDの蛋白であり、-SHによって活性化されることが、また反応の至適pHは9であることが判明した。 4。結論として、葉緑体の光合成活性が十分で、エネルギーも十分に供給されている状況においても、細胞質から分裂開始の信号がこなければ、葉緑体の分裂は起こらない。すなわち、葉緑体の分裂を開始する信号は細胞質からの信号であり、その信号に感応する葉緑体内におけるこの蛋白分解酵素の活性発現は貴重な指標現象となることが分かった。
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