研究課題/領域番号 |
05804055
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
系統・分類
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研究機関 | 国立科学博物館 |
研究代表者 |
岩科 司 国立科学博物館, 筑波実験植物園, 主任研究官 (30151731)
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研究分担者 |
松本 定 国立科学博物館, 筑波実験植物園, 研究官 (80132695)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
700千円 (直接経費: 700千円)
1993年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | フラボノイド / 化学分類学 / 種分化 / シダ / 地理的変異 |
研究概要 |
平成5年度の研究ではパキスタンにおいてフラボノイドの分析用として採集を行ったシダ類、31属69種293個体と、これらの中で日本にも自生している種および近縁種の日本産の個体を対象として、含有フラボノイド組成の調査を行い、化学分類地理学的および種分化に関する多くの知見を得た。これらの調査種のうちで特に日本、パキスタンはもとより周北極要素の種として知られているアオチャセンシダについては、シダ類はもとより自然界で今まで知られていなかったいくつかのフラボノイドも含めた極めて特異的な成分が非常に安定的に含まれており、十分に化学分類学的指標となり得ることが判明した。一方、パキスタンに分布する2種のCeterach属植物の分析では両種がそれぞれに固有のフラボノイドをもち、化学分類学的に区別できることが明らかとなったばかりでなく、ヨーロッパまで分布域をもつ片方の種ではさらに、地理的な変異の生じていることも判明した。パキスタンではこの両種の雑種といわれるもう一つの種も自生するが、今回の分析の結果これが両種のフラボノイド特性を併せたパターンを有しており、雑種起源の立証に役立てることもできた。パキスタン産の6種のエビガラシダ属植物も今回詳細に分析が行われ、個々の種がそれぞれに固有の、しかも各種内で非常に安定なフラボノイド組成を有していることが明らかとなった。これによって形態的には非常に区別の困難であったこれらの属内での分類に、このような化学分類学的指標が大いに有用であることが明確となった。その他にも、たとえ同一種であろうとも日本とパキスタンの間のような、互いに直接的な接触のない自生地間ではフラボノイドのような化学的形質に変化が生じているような多くの知見が得られ、種分化の問題へのフラボノイドの応用の大きな可能性をもつことができた。
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