研究課題/領域番号 |
05805078
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子合成
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
塚原 安久 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (20135312)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1993年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | マクロモノマー / ラジカル単独重合性 / 拡散律速反応 / ポリ(マクロモノマー) / 多分岐ポリマー / セグメント密度 / 分子形態 / 固有粘度 |
研究概要 |
1)スチレンのリビングアニオン重合を行い、停止剤にp-ビニルベンジルクロリドおよびメタクリル酸クロリドを用いて、種々の分子量のポリスチレンのマクロモノマーを合成し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)、高分解能NMRおよびメチルメタクリレート(MMA)とのラジカル共重合よりマクロモノマーの特性化を行い、分子量分布の狭い高純度のマクロモノマーの生成を確認した。また、同様にして2-ビニルピリジンのマクロモノマーの合成も行った。 2)ポリスチレンマクロモノマーのラジカル単独重合およびリビングアニオン単独重合を行い、現有の光散乱検出器を備えたGPCを用いて、転化率、初期重合速度(Rp)、および重合度(DP)を調べた。また、ラジカル重合について電子スピン共鳴(ESR)スペクトルの測定を行い、ラジカル重合の成長速度定数(k_p)、停止速度定数(k_t)および開始剤効率を求め、これらの結果とマクロモノマーの仕込み濃度および分子量との関係について検討した。その結果、k_tの値はマクロモノマーの分子量と濃度の増加に伴って著しく減少したが、k_pの値はほぼ一定で、それぞれマクロモノマーの重合性末端に対応する低分子モノマーの値より約4桁および約1桁小さい値であること、また、ラジカル重合のRp、DPのマクロモノマーの分子量と濃度に対する特徴的変化が、k_p/(k_t^<1/2>)の変化で説明できることが分かった。 3)ポリスチレンマクロモノマーの単独重合で得たポリ(マクロモノマー)について、光散乱検出器を備えたGPCおよび申請備品の膜浸透圧計を用いて重合体の分子量および分子量分布について調べた。また、これらの溶液粘度および動的光散乱測定を行ない、多分岐ポリマーの特徴を、同一分子量の直鎖型ポリスチレンの測定結果と比較して検討した。その結果、重合条件によって分子量分布の狭いポリ(マクロモノマー)が得られること、また、このポリ(マクロモノマー)が枝密度の極めて高い規則性多分岐ポリマーであるため、高重合度のものは溶液中で円筒状の形態を有し、対応する直鎖型ポリマーと非常に異なる固有粘度挙動および動的光散乱挙動を示す結果を得た。また、バルク固体でも興味深い性質も示す結果が得られた。これらの結果は、ポリ(マクロモノマー)の研究が高分子の分子物性の研究にも大きな意義を有することを示していると思われる。
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