研究課題/領域番号 |
05806023
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林産学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
磯貝 明 (1994) 東京大学, 農学部, 助教授 (40191879)
磯貝 明 (1993) 東京大学, 農学部, 助教授 (01918179)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1994年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1993年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | パルプ / 紙 / サイズ / ロジン / アルミニウム / 撥水性 / リテンション / 熱分解ガスクロマトグラフィー / アラム / 硫酸アルミニウム / セルラーゼ |
研究概要 |
サイズ処理のうち、アニオン性のエマルジョンロジンサイズ剤を用いた硫酸アルミニウム添加系のサイズ処理におけるサイズ剤成分のリテンション機構と、シート中に保持されたサイズ剤成分のサイズ発現機構を明らかにすることを目的とし、以下の結果が得られた。 まず、熱分解ガスクロマトグラフィー等の機器分析によるシート中の微量サイズ剤およびアルミニウム成分の定量法を確立した。これらの定量法を用いたところ、パルプサスペンションに添加した硫酸アルミニウムの三価のAIイオンはパルプ繊維中の微量官能基である解離したカルボキシル基との間で極めて迅速にイオン結合を形成することが明らかになった。そして形成されたアルミニウムのカチオンサイトを接点としてアニオン性のロジンエマルジョンをイオン結合によってパルプ表面に吸着させる。ところが、この形成されたイオン結合は、アルカリを加えて抄紙系のpHを上げた場合、エマルジョンロジン粒子の破壊等により切断されてしまう。このように、エマルジョンロジンサイズ-アルミニウムイオン系のシートへのリテンション機構がパルプ中のカルボキシル基を接点とした短時間のイオン結合形成に支配されていることが明になった。 次に、本系のサイズ発見機構を検討するため、シート中に保持されたロジン分子の特性や化学構造を検討した。手法としては、1)セルラーゼ処理残渣の機器分析、2)シートの有機溶剤抽出、3)13Cでラべルした脂肪酸エマルジョンの固体13C-NMR分析等を用いた。その結果、シート中のロジン分子はアルミニウム塩を形成せずに、遊離のカルボン酸の形で存在して紙のサイズ性に寄与していることが明らかになった。また、シート中のロジン成分のシート内での分布状態の形成にアルミニウムが関与している可能性が示唆された。
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