研究課題/領域番号 |
05807032
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
衛生学
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
垰田 和史 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (90236175)
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研究分担者 |
山下 尋美 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (50200689)
西山 勝夫 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (60077691)
渡部 眞也 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (90000918)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1993年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 頸肩腕障害 / 手話通訳 / 一連続作業時間 / 筋電図 / RMS / 平均周波数 / 疲労 |
研究概要 |
職業的手話通訳者20名を被験者として、実験的に約50分間のほぼ連続した聞き取り通訳中の心身機能の経時的変化を、途中に一定のテストを反復挿入することにより、筋電図学的、動作学的、心理学的に、また作業効率の面から観察・測定し、被験者の検査前頸肩腕障害の症度をI(無所見)、II(少しあり)、III(あり)の3群に分けて検討した。 聞き取り通訳を続けると、筋疲労感の訴え率は、検査前症状の強い群ほど早期に、かつ著明に増大した。通訳支障感の訴え率は、どの群でも早期に上昇した。動作学的には、症状の強い群で上肢の位置が下がり、肘の軌跡が短縮する傾向が見られた。筋電図学的には、筋疲労は電位の自乗平均平方根(RMS)の増大と平均周波数の低下として把えられているが、RMSは3群とも経時的に増大し、特に症状の強い群で顕著であった。平均周波数の低下は、無所見群でのみ認められた。通訳のブロッキングや誤通訳などの頻度では、経時的変化はなかった。 以上の結果から、50分間連続の聞き取り手話通訳はかなりの疲労を生じる負荷であり、頸肩腕障害の症状を有するものでは、健常者より早期により顕著に疲労が生じることが立証され、聞き取り通訳作業における心身の負担評価の方法論が確立し得た。また、現在、連続手話通訳時間の限度は20分程度が一応の目安とされているが、この時間内でも疲労現象を呈するものが確実に存在すると推定された。
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