研究課題/領域番号 |
05807042
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内科学一般
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
佐野 統 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (00196304)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1994年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1993年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 慢性関節リウマチ / Corticotropin-releasing hormone / アジュバント関節炎 / SCW関節炎 / 滑膜 / Lewisラット / β-Endorphin / グルココルチコイド / PCR法 |
研究概要 |
慢性関節リウマチ(RA)の病態におけるcorticotropin-releasing hormone(CRH)の役割をRA患者およびモデルラット(SCWおよびアジュバント)関節炎を用いて検討した。 1)RA患者滑膜(表層細胞、炎症性単核球、フィブロブラスト様細胞、血管内皮細胞)においてCRH蛋白及びmRNAの著明な発現を免疫染色、PCR法、in situハイブリダイゼーションを用いて証明した。2)RA患者滑膜でのCRH蛋白及びmRNA量は変形性関節症(OA)患者に比べ、有意に強い発現が視られた。3)RA患者の滑液や滑膜組織におけるCRH蛋白はHPLC法でも証明された。4)RAのモデルラット(SCWおよびアジュバント)関節炎でも炎症の増強に伴い滑膜、軟骨、周囲皮膚においてCRHの発現増強がみられた。5)グルココルチコイド投与によりモデルラット(SCWおよびアジュバント)関節炎と同時にCRHの発現も軽度抑制された。6)CRH産生細胞細胞はマクロファージ系の細胞細胞はマクロファージ系の細胞であることが二重染色により証明された。7)抗CRH抗体をAlzetポンプを用いてLewisラット腹腔へ投与するとアジュバント関節炎の発症が抑えられた(関節炎スコアーにおいて40-50%抑制)。8)CRHは中枢神経系ではβ-Endorphin(β-Ep)を誘導する事が知られているが、今回抗β-Ep抗体を作製し、lgG分画を抽出し免疫染色でその発現を調べた。RA患者滑膜ではOA患者に比し、有意に強いβ-Epの発現がみられた。また、モデルラット(SCWおよびアジュバント)関節炎においてもCRHと同様に、強いβ-Epの発現がみられた。9)滑膜表層細胞において、CRHとβ-Epの共存がみられた。 以上より、関節炎の発症にCRHの局所における発現が関与している可能性がある。さらに、CRHが滑膜細胞においてβ-Epの発現を誘導する可能性もある。CRHやβ-Epなどの神経ペプチドがサイトカインとして働き、RAにみられる種々の免疫反応や炎症反応に関与している可能性があり、今後この分野の研究が重要となるであろう。
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