マイクロカプセルを用いた新しいIN VIVO制癌剤感受性試験

• 研究課題/領域番号: 05807119
• 研究種目: 一般研究(C)
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 消化器外科学
• 研究機関: 日本医科大学
• 研究代表者: 陳 光永 日本医科大学, 医学部, 助手 (70241106)
• 研究分担者: 酒井 欣雄 日本医科大学, 医学部, 助手 ; 天神 敏博 (天神 敏彦) 日本医科大学, 医学部, 助手 (70217438) ; 渡辺 秀裕 日本医科大学, 医学部, 助手 (40191788) ; 井出 道也 日本医科大学, 医学部, 助手 (20176316) ; 清水 一雄 日本医科大学, 医学部, 講師 (20133449) ; 酒井 欣男 日本医科大学, 医学部, 助手 ; 今井 茂 日本医科大学, 医学部, 助手 (80193647) ; 高橋 望 日本医科大学, 医学部, 助手 (90216739) ; 前田 隆志 日本医科大学, 医学部, 助手 (10209380)
• 研究期間 (年度): 1993 – 1994
• 研究課題ステータス: 完了 (1994年度)
• 配分額: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円); 1994年度: 600千円 (直接経費: 600千円); 1993年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
• キーワード: アルギン酸マイクロカプセル / 制癌剤感受性試験 / SDI法 / MTTアッセイ / MTTアツセイ / MTT assay

研究概要

半透膜でできたアルギン酸マイクロカプセルは細胞の生存に必須のグルコースやインスリンなどの低分子物質は容易に通過させ、免疫グロブリンといった高分子物質の通過は不能で、しかも異物反応を惹起しないため被包された細胞はラット腹腔で拒絶されずに異種移植が可能な免疫隔離膜作用を有する。アルギン酸マイクロカプセルで被包したヒト胃癌細胞株(KATOIII、MKN28)を用いてコハク酸脱水素酵素抑制試験(MTT assay)の基礎的研究を行いin vivo制癌剤感受性試験への応用の可否を検討し以下の結論を得た。
1.アルギン酸マイクロカプセルで被包した細胞は培地中で満足すべき増殖がみられた。
2.マイクロカプセル内の細胞に対してカプセルを破壊せずにMTT assayが可能で従来のマイクロプレートを用いたMTT assayとほぼ同じ結果が得られ、カプセル内の細胞のviabilityの評価にMTT assayが有用であった。
3.アルギン酸マイクロカプセルで被包した細胞はラット腹腔内への異種移植が可能で移植後も増殖が確認され、カプセルの回収も容易に行われた。
4.ラット腹腔に移植されたマイクロカプセルに経静脈的に投与されたtegafurは肝組織と同レベルに分布し、5FUの移行も確認された。
5.細胞被包アルギン酸マイクロカプセルをラット腹腔に移植し、制癌剤投与後の効果判定をMTT assayにて施行し得た。
6.アルギン酸マイクロカプセルを用いたヒト癌細胞異種移植後の生体側の反応は局所の異物反応が軽微に認められるのみで制癌剤感受性試験の結果には大きな影響及ぼさないと考えられた。
7.アルギン酸マイクロカプセルを用いて簡便で更に高い評価可能率をもった新たなin vivo制癌剤感受性試験が可能と考えられた。

研究成果

• [文献書誌] 陳光永、清水一雄、庄司佑: "アルギン酸マイクロカプセルを用いた制癌剤感受性試験の基礎研究" 日医大誌. 61. 422-434 (1994)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] K.CHIN,K.SHIMIZU and T.SHOJI: "An experimental study on a chemosensitivity test with alginate microcapsule-Feasibility of in vivo succinic dehydrogenase inhibition test" J.Nippon Med.Sch.61 (5). 422-434 (1994)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] 陳,光永、清水,一雄、庄司,佐: "アルギン酸マイクロカプセルを用いた制癌剤感受性試験の基礎研究(in vivo法への応用)" 日医大誌. 61. 422-434 (1994)
• [文献書誌] 陳 光永: "アルギン酸マイクロカプセルを用いた制癌剤感受性試験の基礎研究-in vivo SDI法への応用-" 日本医科大学雑誌. 61. (1994)