研究課題/領域番号 |
05807133
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
林 和生 九州大学, 医学部, 助教授 (20180961)
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研究分担者 |
杉岡 洋一 九州大学, 医学部, 教授 (30037361)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1995年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1994年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1993年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | ハイドロキシアパタイト / コーティング / 人工関節 / チタン溶射法 / セラミックス / 生体材料 / バイオセラミクス / アルミナ / ジルコニア |
研究概要 |
人工関節材料としてのハイドロキシアパタイト(H・A)コーティングチタン合金の問題点は、強い剪断力下でのHAコーティング層の剥離の問題である。よって、HAの役割は術後早期の多孔質層へのbone ingrowthの促進に限定し、あとの長期的固定は骨のアンカリング効果に依存することが望ましい。我々は、この目的に適う材料を開発するために各種多孔質チタンにHAをコーティングする試みを行なった。その結果、ビーズの表面にHAをコーティングすると表面が目詰まりし、ファイバーメッシュではHAが多孔質の底面までコーティングされないなどの問題点が判明した。一方、最近開発されたチタン溶射表面にHAをコーティングしたものでは表面の目詰まりはなくかつHAは多孔質層の底面までコーティングされた。このチタン溶射は従来はプラズマ溶射方によるものであったが、この方法では溶射層に多数のボイド・クラックを生じ剪断力下ではここが力学的弱点になるという問題があった。今回開発したシールド・アーク溶射法では溶射層にボイド・クラックが殆ど認められず、溶射層の粒子間結合力はプラズマ溶射法によるものより約6倍強かった。また、犬の大腿骨との固着力についてビーズチタン・平面なチタンにHAコーティングしたもの・アーク溶射のみのもの・アーク溶射にHAコーティングしたものを比較したが、アーク溶射にHAコーティングしたものが術後早期から最も固着力が強かった。また、push-outテストによる力学試験の後のSEMによる割断面では破断はHA近傍の骨で主に起こっていた。我々の長年の研究によりセメントレス人工関節の初期固定性を向上させかつ長期的成績をも向上させる可能性をもつ材料が開発されたと思われる。
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