研究課題/領域番号 |
05807172
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
岡田 幸雄 長崎大学, 歯学部, 助教授 (60136687)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1993年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | ラット / 破骨細胞 / パッチクランプ法 / 骨髄細胞 / プロトンポンプ |
研究概要 |
1.破骨細胞の単離と同定.実験には出生後1週間以内の幼若ラットを用いた。ラットをネンブタールで麻酔し大腿骨と脛骨を摘出した。骨を縦に割り骨髄をこすり落とし、パイペッティング処理により細胞を遊離した。フィブロネクチンをコーティングしたカバーグラス上に遊離細胞を浮遊させ、30℃の恒温槽内で30分間保持した。カバーグラス上に強固に付着した大型の細胞は2種類に分類できた。一つは、薄く広がった拡散型細胞であり、他はドーム型の球形型細胞であった。酒石酸抵抗性酸性ホスファターゼ染色を行うと、両方の細胞はともによく赤く染まり破骨細胞と同定した。2.破骨細胞の電気生理学的性質.単離した破骨細胞の膜特性を全細胞クランプ法を用いて解析した。拡散型細胞は、-10〜-80mVの静止電位、1〜10GΩの入力抵抗および10〜55pFの膜容量を有した。この型の細胞は、-80mVより正側の膜電位では漏洩電流成分だけを示したが、逆に-80mVより負側の膜電位では大きな内向き整流性の膜電流を示した。この内向き電流は、外液中にBa^<2+>やCs^+を加えると強く抑制され内向き整流性K^+電流と同定した。プロトンポンプの阻害剤であるDCCDも多少この電流を抑制した。球形型細胞は、-30〜-60mVの静止電位、2〜8GΩの入力抵抗及び10〜100pFの膜容量を有した。この型の細胞は、静止電位よりも正側の膜電位では大きな外向き整流性の膜電流を示し、負側では漏洩電流だけを示した。この外向き電流は、外液中にBa^<2+>を加えると抑制されるのでK^+電流と同定し、DCCDもこの電流をかなり抑制した。3.今後の展望.本研究は、プロトンポンプの阻害剤であるDCCDによって抑制される電流成分を見いだしたが、この電流はK^+電流である可能性が高い。今後は、K^+電流を完全に除いてH^+電流だけが現れる操作を行って実験を進める必要がある。
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