研究課題/領域番号 |
05807211
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
人類遺伝学
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
有波 忠雄 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (10212648)
|
研究期間 (年度) |
1993 – 1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1994年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1993年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
|
キーワード | 脆弱X症候群 / FMR-1遺伝子 / トリプレットリピート / 精神遅滞 / 反復配列 / 突然変異率 / 創始者染色体 |
研究概要 |
fragile X症候群の病因遺伝子であるFMR-1遺伝子の5'非翻訳領域に存在するCGG反復配列を、日本人の一般集団、精神遅滞集団および精神分裂病患者を対象に解析した。CGG反復配列の一般集団で最も頻度の高いアレルは白人で29〜31回反復(最頻30回)、日本人では29〜30回反復(最頻29回)で、ほぼ同じだった。ところが、白人では反復数の少ない20回反復付近に第二の頻度のグループがあるのに対して、日本人では反復数の多い側の36回反復に第二の頻度のグループがあった。FMR-1遺伝子を挟むマーカーFRAXAC1とFRAXAC2のハプロタイプ解析により日本人のfragile X症候群のハプロタイプの約半数はCGG36回反復と同じハプロタイプであった。よって、日本人のfragile X症候群はこのグループから由来しているものがかなりあることが推測された。CGG反復配列はCGGだけが反復しているのではなくところどころAGGが入っており、その入り方に一定のパターンがある。36回反復配列のアレルのCGG内の配列を調べたところ、(CGG)_6の単位が挿入されていることが明らかとなった。このパターンは白人にはほとんどないことから、白人との分岐以降発生したと推測される。精神遅滞集団ではCGG反復数は男性でfull mutation領域が有意に一般と比べて多かったが、それ以外では一般集団と差はなかった。精神分裂病集団では一般集団と差はなかった。日本人において約1600本のX染色体を調べたことになるが、premutationは発見されなかった。さらに、DNA検査とfragile X染色体検査は完全に一致した。よって、FRAXEの頻度はFRAXAに比べて低いことが示唆された。
|