研究課題/領域番号 |
05808018
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
科学教育
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研究機関 | 東京家政学院筑波短期大学 |
研究代表者 |
垣花 京子 東京家政学院筑波短期大学, 情報処理科, 講師 (50248754)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1994年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1993年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 証明 / 幾何 / コンピュータ / 測定値 / 中学生 |
研究概要 |
平成4年度の研究でコンピュータを証明問題に利用した場合の問題点を指摘した。その1つに「測定値を使って証明を書き、証明にならない証明で証明が出来たと思ってしまう。」場合がある。「測定値」を使った説明は、現在、中学校の図形の証明問題の証明方法としては認められていない。数学者の見地からも「論理的な証明」とはされない。しかし、コンピュータの出現により「測定」が「調べつくし」(完全帰納法)という形で「証明」の役割も持つようになり、それを視覚的に見ることが可能になってきた(清水克彦、1994)。 本年度は、そのような背景をふまえ、中学3年生(長野県T中学)29名、中学2年生(長野県S中学)35名、中学2年生(茨城県S中学)32名を対象に「カブリ」を証明問題に使った実践授業を行い、ワークシートをもとに、証明問題の中での「測定値」の利用状況を分類した。 (1)問題の中の前提条件を図の中で具体的に表わす場合、 (2)前提条件から結果を導くための途中の理由に使う場合、 (3)結果に直接利用する場合の3つがあることが分かった。 いずれの場合も、今まで証明問題には手を付けなかった生徒が証明の根拠を探そうとする様子が見られた。また、インタビューの結果、「測定値」が生徒の納得の強い根拠となることも見い出された。 「測定値」を利用した証明を授業で取り入れるために、その意義を明らかにする必要がある。そこで、諸外国の証明の扱いを調べた。その結果、U.S.A.、フランス、イギリス等の中等教育では形式的な証明はほとんど行わず、「測定値」などを利用した、経験的な証明を多く体験させようとしていることが分かった。中学校の図形の証明問題の学習活動を活発にするためにコンピュータを使い、動的な扱いや、「測定値」の利用も取り入れることが望ましいと示唆された。カリキュラムの再構築と教材の開発が今後の課題である。
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