研究課題/領域番号 |
05808082
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
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研究機関 | (財)東京都神経科学総合研究所 |
研究代表者 |
浜田 生馬 (財)東京都神経科学総合研究所, 神経生理学研究部門, 主事研究員 (70150191)
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研究分担者 |
長谷川 有美 (財)東京都神経科学総合研究所, 神経生理学研究部門, 主事研究員 (40234223)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 不随意運動 / 大脳基底核 / 大脳皮質運動野 / 視床下核 / 運動疾患モデル動物 |
研究概要 |
1.バリスムモデル動物の確立 サルの視床下核ニューロンの活動を一時的に薬物の微量注入により低下させ、異常運動を確実に起こすことに成功した。具体的には、無麻酔のサルの視床下核に挿入した薬物注入管から抑制性神経伝達物質に類似の薬物ムシモルを微量注入(10mM,400nl)し、注入後5-10分には注入と反対側の手と足に運動異常を認めた。この異常は4-6時間続いた。異常運動の特徴はヒトのバリスム疾患の異常運動と共通点が多い。注入後8-9時間後にはサルの行動には異常が見られなくなり、翌日以降も後遺症は見あたらない。他日、同一部位にムシモルの再注入を行い、同様の異常運動をくりかえし発現することができた。この実験系は、可逆性、確実性の点でバリスム類似の異常運動の発現メカニズムの研究のために有用な系である。 2.長時間記録用慢性埋め込み電極の開発 異常運動の発生時にもニューロンの活動を安定に記録するために長期間脳内に留置できる微小記録電極を新たに開発した。具体的には直径50ミクロンの細いタングステン線を4-6本束ね、細い針を使ってこれを脳内に差し込み、目的の場所にタングステン線を残して針を引き抜く。脳内にはフレキシブルな細いワイヤーの記録電極だけが残りこの電極によって長期間安定して目的のニューロンの活動が記録できる。 3.運動野ニューロンの活動 大脳皮質運動野に留置した上記の電極からニューロン活動の記録を行いながら、視床下核ニューロンの活動を一時的にブロックし不随意運動を生じさせた。現在までの所、大脳皮質一次運動野上肢領域のニューロンで不随意運動に対応して異常活動を示す例は見つかっていない。今後さらに運動野内の検索の範囲を広げるとともに、補足運動野のニューロン活動の変化の有無も調べて、異常運動を引き起こす神経インパルスの下降経路を確認したい。
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