研究課題/領域番号 |
05834004
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
老化(加齢)
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
森 和博 新潟大学, 理学部, 教授 (90025635)
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研究分担者 |
杉本 健吉 新潟大学, 理学部, 助教授 (20240765)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1994年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1993年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 老化 / 老化促進マウス / 造血幹細胞 / 造血微小環境 / 造血前駆細胞 / 造血因子 / 脾臓 / 異系骨髄移植 / IL-6 |
研究概要 |
我々は、老化促進モデルマウス(SAM-P)には、加齡に伴って末梢血球数、特に白血球数の有意な減少が見られることを、既に報告している。本研究では、先ず、これが造血幹細胞の機能的老化によるものか、脾や骨髄など造血組織の間質細胞の造血支持機能の低下によるものかを明かにするために、老若マウス間で骨髄相互移植を行った。 老若それぞれのマウスから採取した造血幹細胞を同年齢の宿主マウスに移植する限り、その脾コロニー形成能には変化が認められなかった。即ち、造血幹細胞には老化現象は見られなかった。一方、同年齢のマウスから採取した造血幹細胞を老齢マウス、幼若マウスそれぞれに移植した場合には、幼若マウスでの造血系の回復が、より良好であった。また、老化マウスにおいて、特に白血球前駆細胞である顆粒球・マクロファージコロニー形成細胞の数に顕著な減少が見られた。 これは、加齢マウスでみられる末梢血球の減少が造血支持環境の、細胞分化誘導機能の低下によるものであることを示唆する。 次いで、この加齢に伴って低下する造血支持能の要因を明らかにするために、老若マウス骨髄細胞からの顆粒球・マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)の産生を調べた。加齢マウスでは、GM-CSFの産生量が明かに減少していたが、IL-3や細胞内毒素(LPS)刺激に反応して起るGM-CSFの産生誘導/亢進には差が認められなかった。 以上、本年度の研究によって、加齢マウスにおける末梢白血球数の減少が、造血組織の白血球誘導因子産生能の低下のために、成熟白血球までの分化が低減するという、造血支持機能の老化を主たる原因とすることが明らかになった。
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