研究課題/領域番号 |
05834008
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
老化(加齢)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
庄武 孝義 京都大学, 霊長類研究所, 教授 (00003103)
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研究分担者 |
石田 貴文 東京大学, 理学系研究科, 助手 (20184533)
鈴木 樹理 京都大学, 霊長類研究所, 助手 (10175408)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1993年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | ニホンザル / 加齢 / GH / サル線維芽細胞 / in vitro加齢 |
研究概要 |
本研究では、ヒト加齢モデルとしてニホンザルのエイジングの特徴を把握しヒトとの異同を明らかにすることを目的として、マクロレベルでは成熟後の変化に影響を与える発達段階の生理的特徴を、ミクロレベルでは培養細胞を用い加齢タンパクとゲノムの変化を調べた。 1.マクロレベル:2歳令から5歳令までの個体を用いて24時間連続採血によってGHの血中動態を調べ、加齢に伴う変化を解析した。同時に、尿を回収し尿中GHの動態を調べた。その結果、血中GHはヒトと同様に思春期発動期に分泌のパルスが最も多くピーク値も高く、1日蓄尿中の濃度は、血中平均濃度と有意に相関しており、これはヒトと同様であった。 2.ミクロレベル:線維芽細胞を用い、その特徴を調べた。これまで、見かけでは14代から17代が寿命と考えられていたが、ディッシュ上で細胞数を数えると実際の分裂寿命は見かけよりも短かいことがわかった。細胞の倍加時間は世代に対し指数的に増加し、世代の進んだ細胞において約40KDと約41.5KDのタンパクに発現パターンの変化が見られ、この変化は、同時に行った染色体異常・DNA二重鎖切断とも関連が示唆された。いずれにせよ、本研究で用いた細胞は、4週間の培養で分裂が止まり比較的短期間にin vitroの加齢現象を追跡することが可能であり、細胞レベルにおいても有効な人加齢モデルといえよう。 4.モデル化の可能性:このように、ニホンザルに於て加齢・老化にともなって生じる各レベルでの変化はヒトとよく似た傾向を示し、成長・加齢速度はヒトに比べ速いことから、ヒトの様々な加齢モデルとして用いることができ且つ短時間で研究結果を得られるというニホンザルの高い有用性が示唆された。
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