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美術品彩色材料に用いられているメジウムの分析法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 05835004
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 文化財科学
研究機関東京芸術大学

研究代表者

稲葉 政満  東京芸術大学, 美術学部, 講師 (50135183)

研究期間 (年度) 1993 – 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1994年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1993年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
キーワードメジウム / GC-MS / メチル化 / アミノ酸 / 分析 / 脂肪酸 / タンパク質 / 絵画 / タンバク質
研究概要

美術作品の保存や修復を実施する際にあたって,作品の構造や制作に用いられている材料に関する詳細な調査は欠くことができない.絵画の保存や修復を検討する際にも彩色層の顔料の分析は既に行われている.一方,顔料と共に用いられている油脂類やにかわ類の所謂メジウム(展色剤)に関する知見も重要であるが,微量な試料での分析は困難であったがため,ほとんどこの分野の研究は行われていなかった.そこで本研究においては,メジウムとして広範囲に用いられている油脂類とにかわ類の分析法を検討した.
油脂類メジウムの分析はガスクロマトグラフ質量分析計(GC-MS)を用いた.その際の前処理方法としては,有機アルカリ(TMAHまたはm-TFPTAH)による,以下の方法が有効であった.乾燥した油両具試料片に液体の有機アルカリ試薬を加え,約70℃で加温した.超音波洗浄器で試料を良く分散させ十分にケン化反応を進めた.フィルターで顔料を除去し,GC-MSの試料とした。注入口温度を300℃に設定し、注入口でメチル化反応を行わせた.ジアゾメタンメチル化法との比較の結果、油の種類を同定するために用いられているパルミチン酸(P)とステアリン酸(S)の比の測定には十分利用できることが明らかとなった.この方法では,TMAHのアルカリ性によって油脂のケン化も行えるので,他の方法のような抽出などの余分な操作が不用であり,そのため試料の損失が少なく,したがって,微量の試料での分析が可能であった.このように,TMAHによる前処理法は簡便であり,データの再現性についても期待できる.
にかわ類の調査方法については,実際の敦煌莫高窟壁画の彩色層の分析調査において,高速液体クロマトグラフを用いたアミノ酸組成比の分析により行い充分な成果が得られ,この方法の有効性を確認した.また,従来のアミノ酸組成比の類似率による同定法に加え,多変量解析法の一種であるクラスター分析も行い,劣化の進行したにかわ類のメジウムにおいても対処できる可能性を示した.

報告書

(3件)
  • 1994 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1993 実績報告書

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公開日: 1993-04-01   更新日: 2016-04-21  

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