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弥生・古墳時代の〓製鏡の鉛同位体比の研究

研究課題

研究課題/領域番号 05835017
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 文化財科学
研究機関作陽短期大学

研究代表者

馬淵 久夫  作陽短期大学, 音楽科, 教授 (30011498)

研究分担者 平尾 良光  東京国立文化財研究所, 保存科学部, 化学研究室長 (40082812)
研究期間 (年度) 1993 – 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
配分額 *注記
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1995年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1994年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1993年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
キーワード三角縁神獣鏡 / 〓製鏡 / 鉛同位体比 / 青銅 / ほう製鏡
研究概要

三国時代の魏で作られたか日本列島で作られたかが考古学の問題になっている三角縁神獣鏡を材料面から検討するために鉛同位体比の測定を行なった。過去の測定で、三角縁神獣鏡に含まれる鉛は「舶載」も「〓製」も例外なく中国産と推定されているので、異なる鏡式の間の比較に主眼を置いた。研究の結果は次のように要約される。
1.鉛同位体比から観測される事実
(1)「舶載」三角縁神獣鏡は鉛同位体比図の上で狭い範囲(B-1)に集中し、特定の系統の原料が使われていることを示す。
(2)日本出土の魏の紀年鏡は、平成6年出土の青龍三年銘方格規矩四神鏡を含めて、すべてB-1に入る。つまり、「舶載」三角縁神獣鏡と同じ系統の原料で作られていると考えられる。
(3)日本出土の呉の紀年鏡は魏の紀年鏡とは別の領域(B-2)に集まる。これは中国出土の呉の紀年鏡と同じ系統の原料である。
(4)「〓製」三角縁神獣鏡は「舶載」三角縁神獣鏡と近接するが、明らかに異なる領域(B-3)に分布する。
(5)三角縁神獣鏡以外の古墳出土〓製鏡の大部分はB-1、B-2、B-3にまたがって分布し、さらに少数は弥生時代の前漢鏡タイプの鉛を含む。つまり、一定の原料で作られていない。
2.三角縁神獣鏡に関する諸説との整合性
(1)魏鏡説は、全般的に鉛同位体比の結果と整合性がよい。
(2)日本列島製作説は、一定の材料が中国から輸入され、その材料だけを使って「舶載」三角縁神獣鏡が作られたとすると説明がつく。
(3)渡来呉人製作説は、(2)のヴァリエーションの一つで、その場合、呉の工人は呉の紀年鏡の材料ではなく、日本列島に輸入されていた一定の材料を使って作ったと考える必要がある。

報告書

(4件)
  • 1995 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1994 実績報告書
  • 1993 実績報告書
  • 研究成果

    (11件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (11件)

  • [文献書誌] 馬淵久夫: "青銅器の鉛同位体比の解釈について" 古文化談叢(九州古文化研究会). 30(下). 1143-1154 (1993)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 馬淵久夫: "同位体比で遺物の産地を探る" 第21回日本アイソトープ・放射線総合会議論文集. A6. 2-12 (1994)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 馬淵久夫・平尾良光・榎本淳子: "足守川遺跡群出土青銅器の鉛同位体比について" 岡山県埋蔵文化財発掘調査報告. 94. 1126-1134 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 山崎一雄・室住正世・馬淵久夫: "樋口隆康著『三角縁神獣鏡綜鑑』付篇 「椿井大塚山出土鏡の化学成分と鉛同位体比」" 新潮社, 1〜16 (1992)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 馬淵久夫・平尾良光・榎本淳子: "足守川遺跡群出土青銅器の鉛同位体比について" 岡山県埋蔵文化財発掘調査報告. 94. 1126-1134 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] 馬淵,久夫: "東アジアの土器・青銅器の保存化学的研究" 学術月報. 46(2). 19-24 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] 馬淵,久夫: "青銅器の鉛同位体比の解釈について" 古文化談厳(九州古文化研究会). 30(F). 1143-1154 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] 金,正耀,chase,馬淵,久夫: "戦国古幣的鉛同位素比値研究" 文物(中国北京,文物出版社). 8. 80-89 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] 馬淵,久夫: "同位体比で遺物の産地を探る" 第21回日本アイソトープ・放射線総合会議論文集. A6. 2-12 (1994)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] 山崎,一雄,室住,正也,馬淵,久夫: "椿井大塚山出土土鏡の化学成分と鉛同位体比" 樋口隆康『三角縁神獣鏡総鑑』新潮社(付編), 1-16 (1992)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] 馬淵,久夫: "青銅器-鉛同位体比による産地同定" 日本第4紀学会編第4紀試料分析法-2東京大学出版会, 13 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書

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公開日: 1993-04-01   更新日: 2016-04-21  

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