研究課題/領域番号 |
05835021
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
文化財科学
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研究機関 | 東京国立文化財研究所 |
研究代表者 |
三浦 定俊 東京国立文化財研究所, 保存科学部, 部長 (50099925)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1994年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1993年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | エミシオグラフィ / 二次電子 / 象嵌 / 画像合成 |
研究概要 |
象嵌を持つ、いくつかの遺物に対してエミシオグラフィを適用した。金や銀で象嵌されたものについては、フィルムと遺物表面をよく接触させることさえできれば、良い画像が得られることがわかった。ただし従来から撮影に用いている印刷用のPB1OOフィルムは、乳剤のベースに硬いプラスチックシートを用いているので、丸い曲面に象嵌されている遺物などでは、うまくフィルムを遺物の表面に密着させることができない。この点を改良する方法として、写真乳剤を柔らかいフィルムに塗布して、撮影用のフィルムとして用いてみた。具体的にはアートエマルジョン(富士写真フィルム)と呼ばれる黒白印画紙用の写真乳剤をあらかじめ下塗剤を塗布した薄いフィルムに刷毛で塗布して撮影用フィルムとして用いた。その結果は、この方法で遺物の曲面に象嵌された文様でも検出することができた。 アートエマルジョンを用いる方法の欠点は、アートエマルジョンが印画紙用の乳剤であるため、PB1OOフィルムに比較して感度が低い点と、下塗剤・アートエマルジョンの塗布をかなり丁寧に均一にするようにしないと得られた画像に不必要な斑が生じる点である。またアートエマルジョンを塗布したフィルムは、その度ごとに作成しなければならないので、撮影に手間がかかる点もわずらわしい点であるが、X線CTのような最新の大型調査機器が利用できない場合には、この手法はやはり有効なものとなるであろうと考えられる。
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