1.サハリン及び極東地域の先史時代遺跡地名表、遺跡地図 編年表などの収集と整理を行ない、研究対象地域の考古学的基礎資料の整備に務めた。 2.サハリン及び極東地域で過去になされた先史時代遺跡の放射性炭素による年代測定値約40件をリストアップし、編年表の実年代の数値を入れた。 3.今回(平成5、6年度)の科学研究費による研究対象地域の先史時代遺跡の新たな測定値12件を、上記2の編年表に加え、最新の編年試案を作成した。 4.今年度において、新たに得られたベロカーメンナヤ遺跡(1010±80yBP)およびプロムイスロヴォ-エII遺跡(1480±70yBP)の数値は、サハリンにおける南貝塚式土器期(前者)ならびに東多素加式土器期(後者)の年代を決めるものであり、ともにサハリンにおけるオホーツク文化の終焉を物語るものである。 5.サハリン中部東海岸プガチョオブォチ遺跡の炭化物による年代測定と、同遺跡出土の黒曜石片の化学分析による年代測定を行ない、クロスチェックを実施した。
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