研究課題/領域番号 |
05835026
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
文化財科学
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研究機関 | (財)元興寺文化財研究所 |
研究代表者 |
川本 耕三 (財)元興寺文化財研究所, 保存化学センター, 研究員 (10241267)
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研究分担者 |
山田 哲也 (財)元興寺文化財研究所, 保存化学センター, 研究員 (80261212)
尾崎 誠 (財)元興寺文化財研究所, 保存化学センター, 研究員 (50224209)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1993年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | キレート剤 / EDTA / 紫外分光光度測定 / 錆 / 青銅製品 / 含浸・コーティング処理 / フッ素-アクリル系共重合樹脂 / 徐錆 / 青銅 / 除錆 |
研究概要 |
1.キレート剤の選定 一般に市販され、水溶液がほぼ中性のEDTA・3NaとNAT・3Naを検討した。実用上差はないが、NTA・2Naの水溶液はやや皮膚を刺激することからEDTA・3Naにより研究を継続した。 2.徐錆処理後試料に残留したキレート剤の除去 純水中への浸漬と流水での洗浄を数回繰り返すことで洗浄液中の薬剤は紫外分光光度測定では検出限界以下となるが、処理を行った後試料表面に新たな錆が生じることがあり、試料表面が鋭敏な状態に変化していると考え、安定化させる処理を検討することにした。 3.処理に必要なキレート剤の量 限定された範囲ではあるが処理液をUV測定することにより反応の程度を知ることができた。試料の処理実験からはEDTA1モルに対して0.3〜0.5モルの銅イオンが反応するように処理液を調製することが迅速かつ経済的な処理法のようである。 4.処理後の遺物表面の安定化 キレート処理をした青銅製品の大部分は、現在広く行われているベンゾトリアゾールによる処理で新たな錆の発生を防ぐことができる。 それでも不十分な場合のために含浸・コーティング処理に用いる樹脂を酸素及び水蒸気遮断性能の高い溶剤可溶型のフッ素-アクリル系共重合樹脂を用いて高湿環境試験を行い良好な結果を得た。 5.出土金属製品の徐錆処理 各種の鉄錆についてキレート剤への浸漬処理実験を行った。ある程度まで脆弱になった錆層は物理的手段で取り除きやすくなるが、実用上はキレート剤と物理的手段を併用した徐錆処理は物理的手段のみで行う処理と比較して明らかな長所はなかった。
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