研究課題/領域番号 |
05836003
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
非線形科学
|
研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
泰中 啓一 茨城大学, 理学部, 助教授 (30142227)
|
研究分担者 |
菅野 正吉 茨城大学, 理学部, 教授 (00007759)
西森 拓 茨城大学, 理学部, 助手 (50237749)
|
研究期間 (年度) |
1993 – 1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1994年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1993年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
|
キーワード | 予測不可能性 / パターン形成 / モデル生態系 / 位置固定反応 / 複雑系 / 生物の絶滅 / 進化 / 位置固定反応法 / 不確定性 / 選挙とマスコミ / 非線形 / 非平衡 / 格子シミュレーション / 絶滅 / カタストロフィー / 空間パターン / 相転移 |
研究概要 |
近年の空間パターン研究は、すさまじい。日常的に目に触れるものが研究の対象となってきている。空間パターンを研究する方法として、我々は「格子上の化学反応モデル」としての位置固定反応(PFR)を行っている。このPFRの最大の成果は生物絶滅の不確定性仮説である。 複雑に相互作用する大規模系ではカタストロフィーと呼ばれる大異変がしばしば起きる。たとえば、生態系において動植物が絶滅したり、ある生物の固体数が異常に増加したりすること。このようなカタストロフィーが起きると、たくさんの解折者や研究者がその原因を追求してきた。しかし、彼らの努力にもかかわらず、はっきりした原因を確定できないことが多い。これはカタストロフィーには固有の不確定性が内在しているからであると思われる。この不確定性のために原因を追求できないと考えた方がよいかも知れない。最近、僕はこのようなカタストロフィーにおける不確定性(原因追求不可能性、または予測不可能性)が起きるメカニズムを議論した。 興味の対象を定常状態に向け、この立場からカタストロフィーにおける不確定性の由来を説明した。不確定性のメカニズムとして、相移転と間接効果の2つの要因を上げた。相転位は、非線形性に由来する現象で、些細な原因によって大きな結果が引き起こされるという性質を持っている。一方、間接効果は非平衡性に由来しており、原因と結果の間に直接的な関係がないことを意味する。両者の要因が同時に組み合わさったとき、カタストロフィーという結果が起きたとしても、その結果と関係がなく、しかも極めて些細な原因を追求することが必要になる。そんなことは不可能に近い。
|