研究課題/領域番号 |
05836018
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
非線形科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
上田 〓亮 京都大学, 工学部, 教授 (00025959)
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研究分担者 |
中島 弘之 京都大学, 工学部, 助手 (90227801)
高瀬 冬人 京都大学, 工学部, 助手 (60192150)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1993年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 電力系統 / 非線形 / 磁気飽和 / 動揺 / カオス振動 |
研究概要 |
既設送電線の利用効率を最大に求める場合、定態安定極限電力付近までの電力輸送が要求される。このような極限状態では、電力系統の非線形性によってカオス電力動揺のような現象が観測される。本研究では、このような現象を正確に把握することを目的として、次の成果を得た。 1.ある実験用発電機に生じる磁気飽和が鉄心歯部に集中していることを、サーチコイルによる空隙磁束の観測から明らかにした。この磁気飽和を、空隙方向に連続分布した磁気回路で表現し、空隙磁束あるいは電機子巻線鎖交磁束を、発電機の巻線電流から算出する非線形モデルを構築した。このモデルを実験による測定値と比較したところ、良く一致することを確認できた。 2.電源母線の位相角が動揺する多機系統に対して、4階の動揺方程式を導出し、ハーモニックバランス法やシューティング法で解析を行った。その結果、出力-相差角曲線の非線形性に基づく軟化バネ特性が表れること、電源母線の位相角動揺からは同相モードは励振され易いが、逆相モードは励振されにくいこと、不安定周期解の不安定多様体のいくつかが安定平衡点の引力圏境界を構成すること等を明らかにした。 3.電力系統に生じる非線形動力学的現象を、高性能系統解析試験装置を用いて観測し、時系列データのフラクタル次元の測定から、カオス振動が生じる可能性を明らかにした。また、AVR,GOV等の制御系を含めた発電機の計算機シミュレーションを行い、カオス振動に至る周期倍分岐現象を明らかにした。
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