研究課題/領域番号 |
05837002
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血管生物学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
森崎 信尋 千葉大学, 医学部・附属病院, 講師 (40174411)
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研究分担者 |
神崎 哲人 成田空港, 検疫所, 厚生技官
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1993年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | トランスフォーミング成長因子-β(TGF-β) / 動脈硬化症 / 内皮障害 / 細胞外マトリックス / 内膜肥厚 / TGF-βリセプター |
研究概要 |
本年度の研究では、トランスフォーミング成長因子-β(TGF-β)の動脈硬化症に対するin vivoの影響及びその機構について明らかにした。家兎を対照群(n=5)、TGF群(n=7)に分け、右総頸動脈をバルーンカテーテルで内膜剥離を行ない2週間飼育した。対照群には血栓形成予防の為、内膜剥離翌日より連日10mg/kgのアスピリンを静注した。TGF群には連日μg/kgのTGF-β1と10mg/kgのアスピリンを静注した。屠殺後、総頸動脈を4分割し、それぞれの部分で横断面の組織標本を作製し、肥厚内膜/中膜面積比(内膜肥厚度)及び肥厚内膜での細胞数、細胞外マトリックス容積を算出した。頸動脈でのTGF-βリセプターの発現は、頸動脈のRNAを用いreverse transcriptase polymerase chain reaction(RT-PCR)法により確認した。血算、血清脂質値には両群間で有意な差異は認められず、動脈壁以外の組織、心臓、肝臓、腎臓、脾臓などにも光顕上差異は認められなかった。内皮障害のない左総頸動脈では両群とも内膜肥厚は認められなかったが、内膜剥離を施行した右総頸動脈では内膜肥厚が認められ、内膜肥厚度は対照群25.9(4.5-39.7)%、TGF群50.5(33.2-67.9)%で、TGF群で有意に高かった。また肥厚内膜での細胞数には両群間に有意な差異は認められなかったが、細胞外マトリックス容積は対照群62.0(48.1-65.5)%、TGF群72.1(63.9-77.7)%で、TGF群で有意に高かった。内膜剥離後7日、14日目の頸動脈ではRT-PCR法によりtype II TGF-βリセプターの発現が認められた。以上のことによりバルーンカテーテルによる内膜剥離モデルでは、TGF-β1は主に細胞外マトリックスの増加により内膜肥厚を促進し動脈硬化を進展させること、また、その内膜肥厚はTGF-βリセプターを介したTGF-β1の直接作用である可能性が推測された。
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