研究課題/領域番号 |
05837015
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血管生物学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
小林 誠 九州大学, 医学部, 助教授 (80225515)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1994年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1993年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 糖尿病 / 細胞増殖 / 血管 / 収縮 / 平滑筋細胞 / カルシウムイオン / 細胞生物学 / 血管作動薬 / 分子生物学 |
研究概要 |
1.血管平滑筋細胞の細胞増殖に関する研究。(1)単一細胞レベルで細胞周期を同定する方法を確立した。血小板由来増殖因子による血管平滑筋細胞のG_0期⇒G_1期進行作用に細胞質Ca^<2+>濃度([Ca^<2+>]i)の上昇は、必須でないことがわかった。(2)高グルコース自体は、G_0期の細胞には全く影響がなく、G_0期⇒G_1期進行作用はなかった。しかし、G_1期細胞においては、[Ca^<2+>]iに影響を与えずに、細胞周期をG_1期⇒S期/M期へ進行させた。C-キナーゼの関与が示唆された。(3)サイクリックAMP/Aキナーゼ情報伝達系の活性化により、[Ca^<2+>]iは低下するにも拘らず、プロトオンコジーンが発現し、細胞周期はG_0期⇒G_1期へ進行することがわかった。 2.血管内皮細胞の[Ca^<2+>]i調節に関する研究。血管内皮細胞では、エンドセリン-1(ET-1)は、百日咳毒素(IAP)感受性G蛋白の活性化を介して、細胞外Ca^<2+>流入を引き起こし、また、IAP非感受性G蛋白の活性化を介して、細胞内貯蔵部位からのCa^<2+>放出を引き起こして、[Ca^<2+>]iを上昇させることを明かとした。 3.血管緊張制御・緊張亢進の成因に関する研究。(1)アンジオテンシン(AT-II)、C-キナーゼおよびA-キナーゼはAT-II受容体mRNAの発現を調節していること、および、受容体mRNAの増加は生理学的反応性([Ca^<2+>]i上昇)と良く相関することがわかった。(2)ET-3は収縮系のCa^<2+>感受性には影響を与えないが、ET-1は増強作用を示すことがわかった。更に[Ca^<2+>]iと張力の経時変化の相違から、ET-3による収縮はET-1に比べてCa^<2+>情報伝達系への依存度が高いと考えられた。(3)セロトニンは、収縮の全経過中に収縮系のCa^<2+>感受性にはほとんど影響を与えないが、ノルエピネフリンは、収縮の後半相において、収縮系のCa^<2+>感受性を増加させることがわかった。
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