研究の手始めとして、障害者と介護者への面接調査を行い、さらに、日常介護や、介護調整会議への参与観察を行なった。面接調査は、これまでに20回以上行い、参与観察も10回ほど行なった。 面接調査や参与観察の結果わかったことは、障害者、介護者とも「介護」に関するイメージは非常に多様であると共に、かなり言語化が困難であることが多いということである。そのため、当初予定していた質問紙法による計量的な調査は延期し、聞き取り、あるいは自由回答法によるテキストデータを用いた質的な調査を先行させるという、調査方法の変更を行なった。このようにして得られたデータの分析は、設備費で購入したパーソナルコンピュータ上でテキストデータを解析するプログラムをすでに開発しており、本研究ではそれに適切な修正を施して利用することとした。このプログラムの修正はすでに終わっている。 聞き取りと自由回答法の調査については、被調査者にも調査の企画に参加させるという新し手法をとることにした。そのため、当初の予定より、調査のスケジュールが大幅に遅れてしまい、現在おおまかな企画案がまとまった段階である。 本研究は、これまで行なった面接調査と参与観察の実施、そして、それを踏まえたより進んだ調査の基本構想の立案にて一応の終結を見たものとし、今後、その調査企画に従って、さらに進んだ研究を行なうこととする。
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