当初、高校生を対象に学生間の認知社会ネットワークデータ(調査対象者が第3者間の社会関係をどのように認知しているかに関するデータ)を収集する予定で複数の高等学校と調査依頼の交渉を持ったが残念ながら生徒指導上の問題など諸事情により協力を得ることが困難であり、時間的にも余裕がなくなってきたため、やむをえず本学学生を対象に調査を行うよう方針を変更し、学生間の認知社会ネットワークデータ、並びに社会変動につながると思われる学生間の社会再組織化活動にかかわる項目に関して質問紙法による調査を実施した。この調査では約200名の学生から回答を得ることができた。 同時に、この間以前Fortranを用いて作製した認知社会ネットワーク処理の為のプログラムを東京都立大学社会学研究室高橋和宏教授ならびに同研究室の大学院生の助力を得て改良、開発を行ったが、プログラム開発環境の変更に適応するための作業に予想外の時間をとられることになった。また数理処理アプリケーションソフトウェアMathematicaを使用するとより高度な処理が可能になるとのことなので現在研究中である。 調査依頼交渉の難航と、情報処理プログラム開発環境変化への対応という2つの問題点から研究進行状況が予定より遅れることとなったが、3月現在では、調査データ入力、並びにデータクリーニング作業をほぼ終了し、現在仮集計作業が進行しつつある。 来年度早期に、一通りの集計作業を終了させ来年度の日本社会学会大会、並びに本学紀要で成果を発表すべく準備を進める予定である。
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