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タ-ビダイトの層厚分布によるコルモゴロフ理論の検証

研究課題

研究課題/領域番号 05854037
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 地質学
研究機関長崎大学

研究代表者

武藤 鉄司  長崎大学, 教養部, 講師 (70212248)

研究期間 (年度) 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
1993年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワードコルモゴロフ理論 / 水谷-服部理論 / タ-ビダイト / 層厚分布 / シミュレーション / 保存 / 正規分布 / 確率
研究概要

地層の層厚分布を確率論的に説明するコルモゴロフ理論とこれを応用した水谷-服部理論について、(1)数値実験、(2)タ-ビダイト層厚の実測、の両面から検証した。(1)(2)の概要と成果は次に述べる通りである。
(1).平衡マルコフ過程における砕屑粒子の挙動を基本にした層厚分布シミュレーションプログラムを開発し、これをさまざまな初期条件のもとで実行させてみた(1回のシミュレーションで16350枚の単層を形成)。得られた層厚分布(負領域も考える)は粒子堆積確率pによって系統的に変わるが、いずれも非対称の単一モード型となる。特にpが1に近いときは簡単な指数関数(y=ae^<-bx>)の正領域部分で精度よく近似でき、水谷-服部理論が仮定した正規分布にはならない。また侵食と堆積とが同じ確率で繰り返し起こるとき(p=0.5)、層厚平均が負になるにもかかわらず一部の地層は保存される傾向にある(e.g.1000枚の単層を造るとき0.1〜1%程度が保存)。コルモゴロフ理論における基礎的な仮定事項の一つ「地層が少しでも保存されているなら層厚平均は正」は誤りである。
(2)宮崎層群3099枚、三浦層群6309枚、室戸半島層群2541枚、対州層群203枚、合計12152枚の深海成タ-ビダイト単層について、砂岩部、泥岩部、砂岩部+泥岩部のそれぞれの厚さを測った。砂岩部の層厚分布形はいずれも簡単な指数関数でよく近似できる。泥岩との互層状況から砂岩部はほぼ完全に保存されていると考えられるので、実測された層厚分布はシミュレーションの結果と合致していると言える。水谷-服部理論では、たとえ指数関数形の分布が観察されてもそれを正規分布の正領域側テイルと解釈して、タ-ビダイト砂岩部の保存率を過小に見積る結果となる。正規分布仮説を基礎とする水谷-服部理論は本質的に正しくない。
以上の成果を踏まえながら、現在、コルモゴロフ理論と水谷-服部理論に代わる新しい理論を構築しつつある。

報告書

(1件)
  • 1993 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Tetsuji Muto: "Incised valleys in the Pleostocene Tenryugawa Oigawa coastal fan systems, central Japan:the concept of the fan-valley interval." International Association of Sedimentologists Special Publication. 18. 69-92 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] 武藤鉄司: "相の地層観と場の地層観" 月刊地球 号外. 8. 27-33 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] 武藤鉄司: "沖積堆積盆におけるチャネル充填積物の保存" 日本地質学会第100年学術大会講演要旨. 408-408 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] Tetsuji Muto: "Preservation of alluvial channel-fill deposits related to basin conditions:Asimple model with possible illustration from the neogene Leijahe Formation, central China" 5th International Congress on Fluvial Sedimentology Keynote Addressesand Abstracts. 93-93 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書

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公開日: 1993-04-01   更新日: 2018-06-07  

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