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オニオンセルによる臓器凍結機構の研究

研究課題

研究課題/領域番号 05855031
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 熱工学
研究機関九州工業大学

研究代表者

鶴田 隆治  九州工業大学, 工学部, 助教授 (30172068)

研究期間 (年度) 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
1993年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード凍結保存 / 臓器組織 / 外部凍結 / 細胞脱水 / 表面核生成 / オニオンセル / 生理食塩水 / 凍害防御剤
研究概要

臓器等の生体組織を凍結する場合,組織内にある血管網の凍結が優先的に進行するため,この外部凍結が隣接細胞の脱水・収縮と細胞凍結に及ぼす影響を知る必要がある.そこで,観察に適したオニオンセルの表皮細胞を試料とし,その上下に血管部に相当する外部溶液を配置することによって,先行する外部凍結の影響を調べた.
1.外部溶液として生理食塩水を使用した場合:冷却速度が毎分2℃より大きい場合にはすべての細胞が凍結するのに対し,これより遅い冷却速度では細胞の脱水が顕著となり,未凍結の細胞が現れ,また生理食塩水の凍結が進行するほど細胞の脱水量も増えることが観察された.細胞内外の浸透圧差と水分流出,および細胞膜表面での核生成速度を考慮したモデル解析を行って実験結果と比較した結果,実験結果とよく一致した.これにより,冷却速度が遅いほど,また凍結による生理食塩水の濃縮が進むほど細胞の脱水が進行し,細胞内溶質の濃縮による凝固点降下に加え,細胞膜表面において核生成に関与する水分子数が減少すること,および凝固点降下による過冷却度の緩和によって核生成率が低下し,細胞の凍結が生じにくくなることが明らかとなった.
2.凍害防御剤を使用した場合: 外部溶液として,代表的な凍害防御剤であるグリセリン水溶液を用い,細胞群の凍結過程に与える影響を観察した.グリセリンは膜透過型の防御剤であるため,グリセリンの細胞内への流入によって細胞の凍結温度が下がり,また凍結する温度範囲も生理食塩水と異なって広くなった.これは,グリセリンが細胞内の水分子と水素結合し,核生成に関与する水分子を減少させるためと考えられるが,詳細な定量的検討にまでは至らず,今後の課題としたい.しかしながら,細胞外におけるグリセリン水溶液の濃縮は生理食塩水ほど進まず,その凍結界面の進行が細胞群の凍結挙動に与える影響は小さいことがわかった.

報告書

(1件)
  • 1993 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 鶴田隆治: "オニオンセルの凍結挙動に及ぼす外部凍結の影響" 第31回日本伝熱シンポジウム講演論文集. (1994)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書

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公開日: 1993-04-01   更新日: 2018-06-07  

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