本研究に関する研究実績は以下の通りである。 1.遺伝的アルゴリズムを最適制御問題、特に最適特異制御問題の数値解法に応用した。最適制御問題の数値解法として幾つかの方法が知られているが、最適特異制御問題を解くことのできる方法は非常に少ない。本研究では、遺伝子上に幾つかの時間の点における入力の大きさをコーディングし、3次スプライン曲線でそれらをつないで、制御入力とした。最適制御においては、入力の関数が不連続となることが多いので、遺伝子上には不連続となる場所に関する情報も加えた。本研究では、槽式流通反応系の最適コスト問題に対し、これらの方法を適用したが、bang-bang制御の区間と最適特異軌道の区間が明確に現れ、良好な結果を得た。これらの成果に関して、現在、投稿準備中である。 2.遺伝的アルゴリズムをファジイ制御に応用し、シミュレーションを繰り返すことによりファジイルールを自動生成する研究をおこなった。ファジィ制御の前件部の取りうるすべての組み合わせに対して、その後件部を遺伝子上にコーディングし、オフラインでシミュレーションを繰り返し遺伝的アルゴリズムを用いることで、ファジイルールを自動生成した。本研究では、この方法を車両の障害物回避問題に適用した。試行結果の評価値のみの情報で、ランダムなファジイルールが次第に、障害物を回避し目標に到達するように進化した。これらの成果に関しては、さらに条件を変えて追試したうえで、投稿する予定である。
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