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均一系バイメタリック錯体触媒を用いた新規合成反応の開発

研究課題

研究課題/領域番号 05855135
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 合成化学
研究機関東京大学

研究代表者

石井 洋一  東京大学, 工学部, 助手 (40193263)

研究期間 (年度) 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
1993年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワードパラジウム / コバルト / バイメタリック触媒 / 複核錯体
研究概要

2種あるいはそれ以上の金属元素を含むバイメタリック(マルチメタリック)錯体触媒系は、単一金属触媒では達成できない特異な触媒反応を達成できる可能性があるが、実際にはバイメタリック錯体触媒の検討例はこれまでごくわずかである。最近、当研究室ではPd(PPh_3)_4-Co_2(CO)_8、Pd(PPh_3)_4-Ru_3(CO)_<12>バイメタリック触媒を用いることによりヨードアレーン(ArI)、CO、ヒドロシラン(HSiR_3)からNEt_3存在下ではArCH(OSiR_3)CH(OSiR_3)Arが、一方NEt_3の存在しない場合にはArCH_2OSiR_3がそれぞれ良好な収率で得られることを見出している。本研究ではこの反応のうち特にNEt_3存在下における金属触媒種同士の相乗効果発現機構を中心に検討を加えた。まず、系内でCo_2(CO)_8、ヒドロシラン、NEt_3から生成すると考えられる[Co(CO)_4]^-とArIとの反応をPd(PPh_3)_4触媒およびPPh_3存在下に検討し、ArCOCo(CO)_3(PPh_3)が触媒的に生成することを見出した。この反応はArIのパラジウムへの酸化的付加で生成するArPdI(PPh_3)_2と[Co(CO)_4]^-とから複核錯体の形成を経て進行するものと考えられる。実際にはArPdI(PPh_3)_2と[Co(CO)_4]^-の反応では還元的脱離が速いため複核錯体は単離できなかったが、PhPt(OTf)(PPh_3)_2、PhPd(OTf)(PMe_3)_2、PhPt(OTf)(PMe_3)_2と[Co(CO)_4]^-の反応ではそれぞれArPt(CO)(PPh_3)-Co(CO)_3(PPh_3)、PhCOPd(PMe_3)_2-Co(CO)_4、PhPt(PMe_3)_2-Co(CO)_4が得られ、その構造をX線構造解析により決定した。これらの結果から、Pd-Co系触媒によるArI、CO、ヒドロシランの反応ではまずArIがパラジウムに酸化的付加し、次いでAr基またはArCO基がPd-Co複核錯体形成を経てコバルト上へ移動し、さらにヒドロシランとの反応によりArCH(OSiR_3)CH(OSiR_3)Arなどの生成物を与えたものと判明した。このようなバイメタリック触媒系での相乗効果発現の機構が明らかにされた例は少なく、今回の結果は新しい触媒設計に重要な知見となるものと考えられる。

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Y.Misumi: "Palladium-Catalyzed Formation of Aroylcobalt Complexes from Iodoarenes and Tetracarbonylcobaltate(-1) Anion and Syntheses of the Model Intermediate Complexes" Chemistry Letters. (印刷中).

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書

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公開日: 1993-04-01   更新日: 2018-06-07  

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