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蛍光プローブ法による芳香族ポリイミドのミクロ構造と分子間相互作用

研究課題

研究課題/領域番号 05855149
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 高分子構造物性(含繊維)
研究機関東邦大学

研究代表者

長谷川 匡俊  東邦大学, 理学部, 助手 (40237988)

研究期間 (年度) 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
配分額 *注記
800千円 (直接経費: 800千円)
1993年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
キーワードポリイミド / 電荷移動相互作用 / 一軸配向 / 面内配向 / イミド化反応 / ポリアミド酸
研究概要

ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とパラフェニレンジアミンからなる剛直な芳香族ポリイミドでは前駆体ポリアミド酸を60%程度一軸延伸後、250℃で熱イミド化するとそのヤング率が約60GPa(10倍向上)まで高まることはすでに知られている。本研究代表者は新規に開発したペリレンビスイミド蛍光色素をプローブとしてこの系に導入してその偏光吸収2色性から分子配向を調べたところ、60%延伸したPAAフィルムではほとんど分子配向していないが熱イミド化過程でポリマー鎖が延伸方向へ自発的に配向していくという非常に珍しい現象を見いだした。さらに高温での熱処理によるヤング率の向上は分子配向の変化が原因ではなくポリイミド鎖同士の分子間電荷移動相互作用の増加によるものであることを粘弾性アナライザーおよび本助成により購入した示差走査熱量計を併用して明らかにした。
本研究代表者はこのような自発的分子配向挙動が面内配向(フィルムのエッジ方向から見た異方性)についても観測されるのではないかと直感し、種々のポリイミド系について傾斜偏光二色性法により面内配向度を測定した。本研究によって確立されたこの面内配向度の測定方法は定量性および簡便性の点で優れた方法である。剛直なポリイミド系では、ガラス基盤上にキャストされたポリアミド酸フィルムは殆ど無配向(3次元ランダム分布)であるが基盤に接着したままで熱イミド化するとそのポリマーセグメントが自発的にフィルム面内に対して平行に配向した。この自発的面内配向現象はポリイミド鎖の剛直性に強く依存しており、その点でも一軸配向系に見られた自発的配向現象と類似している。またポリイミド鎖の面内配向度とそのフィルムの熱膨張計数とは反比例の関係にあるが、分子凝集状態(分子間電荷移動錯体形成によるミクロ構造)も熱膨張係数に少なからず影響を与えることが判明した。以上の測定方法および結果によりポリイミドの物性制御が不可欠なマイクロエレクトロニクス等の分野への波及効果が期待される。今後の目標としてはマクロな諸物性とミクロ構造(分子配向および秩序構造)との関連性をさらに詳細に調べていこうと考えている。

報告書

(1件)
  • 1993 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Masatoshi Hasegawa: "Spontanecus Molecular Orientation of Polyimides Induced by Thermal Imidization I Vniaxial Stretching of Polyamic Acid Film." Journal of Polymer Science:PartB:Polymer Physics. 32(in press). (1994)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書

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公開日: 1993-04-01   更新日: 2018-06-07  

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