家蚕中腸上皮細胞上に存在する、Bacillus thuringiensis subsp.sottoのdelta-エンドトキシンにたいする受容体についてまず解析を進めた。まず家蚕中腸の組織切片を作成し、切片上にてdelta-エンドトキシンとのバインディングアッセイを行ったところ、家蚕中腸上皮細胞にdelta-エンドトキシンに強い親和性を持つ受容体が存在していることが明らかとなった。Wolfersbergerらの方法に従い、Mg/EDTA沈殿と分画遠心法によって調整した家蚕中腸からBrush border membrane vesicle(BBMV)を調整し、SDS-P AGEによる分画の後、ウエスタンブロットしsotto由来のdelta-エンドトキシンとのバインディングアッセイによる解析によって、BBMV由来の幾つかの分画のバンドとバインディングが認められた。その中でも役130kdalのバンドに強いバインディングが認められたので、そのバンドの分画をSDS-ポリカクリルアミドゲルから切り出して電気泳動的にその分画のペプチドを回収した。その回収した分画のペプチドとdelta-エンドトキシンとをco-incubateし十分にそのペプチドとdelta-エンドトキシンとバインディングさせた後、ウェスタンブロットしたBBMV分画とのバインディングアッセイを行ったところ、バインディングが押さえられていることが明らかとなった。よって、家蚕中腸BBMVをSDS-PAGEによって分画して、ゲルから回収し、その回収した分画をマウスに皮下接種して現在免疫化している。それによって得られた抗体を用いて、家蚕BBMVとsotto由来のdelta-エンドトキシンとのバインディングを阻害することができるかを確かめるつもりである。
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