研究概要 |
1,本学第二外科および当教室関連病院の協力により、閉塞性黄疸症例等の経皮経肝的胆道ドレナージ(PTCD)胆汁、45例を収集し-80℃凍結保存した。 2,収集した胆汁をSDSポリアクリルアミドゲル電気泳導装置(ATTO,AE6440)を用いて泳導し、タンパク質を分離、それをホライズブロット装置(ATTO,AE6670P/N)を用いてニトロセルロース(NC)膜に転写、NC膜を免疫組織化学的に染色した。(Western blotting法)。その結果、膵消化酵素(膵alphaアミラーゼ、膵リパーゼおよびトリプシン)に対するモノクローナル抗体と結合するバンドを固定した。 3,本学附属病院中央検査部の協力により、同胆汁中の膵アミラーゼおよびリパーゼ活性を測定し、大半の症例で両酵素の活性の存在を確認した。また13例でリパーゼ活性、7例でアミラーゼ活性の異状高値を認めた。 4,以上、胆汁中に膵消化酵素が存在することを示した。現在、胆道上皮が実際に膵消化酵素を産生しているかどうかを確認するため、外科的手術症例の胆道のAMex固定および凍結保存を用いて、in situ hybridizationで、上記材料の胆管上皮内でのmRNAの発現の有無を検索している。また、ヒトのアミラーゼ、リパーゼ等に対応する合成オリゴヌクレオチドの作成を試み、35Pをテイリングしてin situ hybridizationを行い、胆管上皮内でのmPNAの発現の検索を行っている。
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