研究概要 |
今年度はトランスジェニック作製のためのトランスジーンコンストラクトの作製を行った。即ちマウスCD4遺伝子上流部を有する遺伝子をクローニングし、CD4遺伝子上流部とレポーター(CAT)遺伝子をライゲートするものである。しかしながら、このコンストラクト作製中に我々の目的とする結果と同様のものが他のグループにより報告された(Blum,M.D.et al.,J.Exp.Med.,177:1343-1358,1993)。この研究によるとCD4^+T細胞に特異的なCD4分子の発現は、CD4遺伝子の近位上流部のプロモーター部位よりも、13kbも上流にある1.3kbのDNAフラグメントが重要であることが示された。ところがこの部分に結合する核タンパク質は、培養細胞を使った限りではCD4^+細胞に限局していないことがすでに報告されている(Sawada;S.and Littman,D.R.,Mol.Cell.Biol.,ll:5506-5515,1991)。従ってこの矛盾を解決するために、現在この1.3kb DNAフラグメント上の核タンパク結合エレメントと、培養細胞ではなく、マウスから精製したCD4^-及びCD4^+T細胞から抽出した核タンパク質を用いエレメントとの結合について検討中である。
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