研究概要 |
(1)胆汁中ムチン蛋白のSDS-PAGE分析 胆汁中ムチン蛋白を同定する目的でSDS-PAGEを行った。感染胆汁と非感染胆汁とでは含有蛋白質の分子量の分布が大きく異なっていたが、69KD,46KD,30KD近傍の分子量帯を持つ蛋白質は両者に共通して認められた。この3つの分子量帯に現在着目している。 (2)胆石中ムチン蛋白の分析 胆石粉末から蛋白質を抽出する方法として、コレステロールをクロロホルム・エーテルで除去する方法、EDTAを用いてビリルビンを除去する方法、ムチン構造をアセチルシステインで解離する方法など、単独あるいは組み合わせて試みている。しかし、胆石薄切標本でみられた様に胆石中ムチンは網目状で存在しており複雑に絡まったムチンを抽出するだけではSDS-PAGEゲルを通過しない。現在これらのムチンcomplexを単体に分離抽出することに挑んでいるが今だ成功していない。引続き分離精製して、胆汁中で認められた69KD,46KD,30KDの3者の蛋白質が特異的に多く含まれているかどうか検討したい。もしそうであればregulation proteinの解明は近い。
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