1.目的:閉鎖神経リンパ節(膀胱・前立腺の所属リンパ節)の画像的描出方法の開発 2.方法:水溶性造影剤(60%イソペ-ク)、油性造影剤(リピオドール)、エマルジョン化した油性造影剤をイヌの前立腺内、膀胱粘膜下、直腸粘膜下に注入し、X線検査により経時的変化を調べ閉鎖神経リンパ節が描出かを検討した。 3.結果:水溶性造影剤(60%イソペ-ク)を前立腺内あるいは直腸粘膜下にに5ml注入した。注入1〜2時間後には膀胱壁が3頭中2頭で造影された。注入4-5時間後には淡くなりコントラストが悪く不鮮明となった。水溶性造影剤では、膀胱壁は造影できてもリンパ節の造影はできないと思われた。油性造影剤(リピオドール)を直腸粘膜下に5ml注入した。注入1日後に少し広がり、その後さらに10日目まで広がり続けた。72日後の広がり方は注入10日後と不変であったがやや淡くなった。いづれにしてもリンパ節が描出されたわけではなく、筋層ないし間質内に造影剤が広がったのみと思われた。エマルジョン化した油性造影剤(リピオドールとをシェイキングあるいはリピオドールとグリセリンないし界面活性剤と混合し超音波処理した)を直腸粘膜下ないし膀胱粘膜下に注入した。いづれも造影剤が広がる傾向はみられたがリンパ節は描出されなかった。エルジョン化したが油性造影剤の粒子がまだ大きいためと思われた。 4.展望:油性造影剤をエマルジョン化し、ある大きさ以下の粒子にすることができれば所属リンパ節の造影は可能と思われるので現在さらに実験を進めている。リンパ節の肉眼的確認におけるエバンス・ブルーの有用性も現在検討中である。
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