エイズ等、レトロウイスルのワクチン治療は、関連領域(蛋白工学、脂質化学)の進歩が大きく見直され、他施設でも多くの研究者が開発を行う年となった。 特に本年は、変異するレトロウイスル蛋白抗原を蛋白工学の技術で簡易に、ウイルス特異蛋白の人工合成という形で作製し、脂質膜を粒子状(数ミクロン〜10ミクロン)に物理的手法(超音波ビームで加工しいわゆるリポソームという形にした構造体に封入し、(人工蛋白抗原封入リポソーム)、人工(ウイルス)ワクチンとする試みを行った。申請時点では、発想的には特に萌芽的(研究)なものであったが、現時点では先端の研究施設の多くでとり組まれている課題となった。 レトロウイルス、特にエイズ等の(人工)ワクチンは非特異免疫の誘導に関しては既に報告確認が多くされているが、特異的免疫(液性免疫)に関しては未だ検討中というところが現実である。しかし、世界的レベルでこのテーマは、精力的に研究がされており、また、発想・着眼点は数カ月、1年の違いで、同様の研究がされるようである。協同して今後より進歩させたいと考える。 本年はさらにコンピュータを用いて蛋白の解析、免疫応答の分析、発病のメカニズムの検討のための3Dプログラムの開発を本研究の理論的背景となるべく行ったことを加えて 本年の御報告とさせていただきます。
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