1.実験手技の確立 (1)無血清培地を用いた顆粒膜・莢膜細胞培養システムを確立した。(2)^<125>I-FSHと^<125>I-LHを用い、コラーゲン膜上に培養された顆粒膜細胞のゴナドトロピン受容体の検出法を確立した。(3)受容体を占有するFSHを除去した上で、FSH受容体の検出する方法を確立した。 2.顆粒膜・莢膜細胞間相互作用による、顆粒膜細胞のゴナドトロピン受容体発現調節莢膜細胞と共培養されることにより、顆粒膜細胞のFSH受容体数は著明に増加したが、LH受容体数は逆に減少した。 3.顆粒膜細胞のゴナドトロピン受容体発現に対するゴナドトロピン刺激と細胞間相互作用との相関 (1)莢膜細胞と共培養された顆粒膜細胞をFSHで前処理すると、FSH受容体数は減少するが、LH受容体数は逆に増加した。 (2)単独に培養された顆粒膜細胞では、FSH前処理によるゴナドトロピン受容体数の変化は観察されなかった。 以上の成績より、卵胞周囲の莢膜細胞が(1)顆粒膜細胞上のゴナドトロピン受容体発現を調節すること、(2)さらには、FSH刺激によるゴナドトロピン受容体発現調節をもコントロールすることが推察された。これらの成績はEndocrinologyに投稿の予定である。
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