研究概要 |
1.genisteinのマウス卵子成熟に対する作用:1)genisteinの作用点:dbcAMP除去後30分でのgenistein添加ではGVBD抑制効果は強力だが、60分後の添加では殆ど効果はなく、その中間の45分後の添加では約50%の抑制がみられた。従って、この時期にgenisteinのGVBD抑制効果は作用するものと推測された。2)genisteinの第一極体放出に対する作用:genistein添加により第一極体放出は抑制された。3)genisteinとabcAMPの作用の相乗効果:GVBD抑制効果は相乗的であった。4)genisteinとTPAの作用の相乗効果:GVBD抑制効果は相乗的であった。2.抗リン酸化チロシン抗体のマウス卵子成熟に対する作用:抗リン酸化チロシン抗体をGV期卵子にmicroinjectionすると、controlの卵子に比べ、GVBDは遅延した。3.マウス卵子成熟過程におけるチロシンリン酸化の変化:抗リン酸化チロシン抗体を用いて、Western blot法及び免疫沈殿法で実験を行ったが、チロシンリン酸化を明確に検出することは困難であった。一方、Pを用いてマウス卵子蛋白質を一次元電気泳動法で解析すると,abcAMP添加およびgenistein添加では同じ様に、自然成熟に伴う蛋白質リン酸化パターンの変化が抑制されており、これがGVBDの抑制をおこすものと推測された。 genistein及び抗リン酸化チロシン抗体を用いた実験により、マウス卵子成熟過程(GVBD及び第一極体放出)にチロシンリン酸化が関与することが示唆された。
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