1.緑膿菌の接着において、RGD配列を有するファイブロネクチン(FN)が、何等かの関与をしているかをFNコートと非コートのプレートに緑膿菌を接着させ、走査電顕(SEM)にて菌数をカウントした。その結果、FNコートプレートでは、有意に菌の接着が促進された。これより眼表面上で、特に創傷治癒過程において大量に出現するFNは菌の接着に関与することが示唆された。 2.外来より投与されたRGDペプタイドがFNを介した菌の接着らいかなる影響をおよぼすか検討した。RGD配列をもつ合成ペプチド3種類、RGD配列を持たない合成ペプチド1種類で培養緑膿菌をプレインキュベートし、FNコートプレートにて接着実験を行った。RGD配列を有す3種のヘプチドを加えた菌では菌の接着が有意に抑制された。一方コントロールおよびRGD配列を持たないペプチドでは接着抑制は認められなかった。 以上より外来より加えたRGDペプタイドはFNのRGD配列と緑膿菌上のレセプターを競合することにより、緑膿菌の接着を阻害する可能性が考えられた。 現在培養角膜上皮において同様の実験を行っている。
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