研究概要 |
歯科用インプラントはハイドロキシアパタイトやチタンなど骨に高い結合能力をもつ材料が開発され人工歯根として普及しつつあるが、インプラント体と歯肉、歯槽粘膜との接合、付着については解決していない問題が多く、本研究の目的は歯肉の上皮とインプラント体の接着、接合に関しての定量的検討を主としている。実験としてはヒト歯肉由来上皮を一定の形に成形した各種インプラントdiscの表面で培養し、付着細胞を測定するとともに、付着細胞を剥離した後、超音波により破砕しその細胞膜、細胞質成分を検体とし、各種接着分子に対するモノクローナル抗体の1次抗体にて染色し、酵素標識2次抗体を作用させ、接着分子の淡白量を定量的に測定しようとするものである。交付された補助金より、培養に必要な恒温漕と細胞を粉砕するための超音波破砕機を購入した。 実験の遂行にあたり、健常人より採取した歯肉片より得られたヒト歯肉由来ケラチノサイトを歯肉上皮培養細胞として用いるわけだが、現在得られた検体を培養しさらにそれらの培養細胞よりヒト歯肉上皮を線維芽細胞などより分離し、pureな上皮細胞株の確立を行っているところであり、これらは現在進行中である。ELISA(酵素免疫定量法)についてはこれまでtypeIV collagen,ラミニン、フィブロネクチン、CD44を用いた方法はほぼ確立しつつあり、培養細胞の確立ができればできればこれら培養細胞を用いた実験系は確立され、定量的検討は可能となると思われる。
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