ウシ大腿骨から部分精製したBMP10mgを2%アテロコラーゲン溶液0.1mlに混合して、関節炎を発症する前後のMRI/lマウスの大腿部筋内に注射した。注射後、2週と3週にマウスを屠殺し、大腿部を摘出し、ホルマリン固定した。10% EDTAで脱灰し、HE染色を行い、組織学的に検討した。当初予測された様にBMPによって誘導された異所性軟骨を吸収破壊する多核のchondroclastの数が関節炎発症後のマウスにおいて多く認めら、軟骨破壊も進行していることが推測された。今後、免疫染色を行い、軟骨表面に存在し軟骨の吸収に関与していると考えられる単核の細胞の同定も行う予定である。またchondroclastの数の違いが関節炎発症に関与する免疫異常によるものなのか、あるいは、単にマウスの加齢変化によるものなのかを、明らかにするため、同じ月齢の免疫異常の無いMRL/nマウスに同様の実験を行い比較したい。
|