ペンタジエニリックエステル誘導体iを合成し、arene・Cr(CO)_3錯体との反応を種々検討した結果、目的とする極性転換反応が進行しカップリング体iiiが75%程度の収率で得られる事が判った。本反応は完全にgamma-位選択的でありalpha-位でカップリングしたものは全く得られなかった。さらに、ivのような分子内にアリリックアセテートを有する基質で反応を行なった所、ペンタジエニリックアセテート部分でのみ反応が起こることも見い出した。このユニークな選択性は、このarene・Cr(CO)_3錯体による反応が、予想したU型eta^5-ペンタジエニルアセトキシクロム錯体iiをへて進行している事を示していると考えられる。さらにvの基質を合成し、分子内反応も行った所、閉環体viを得ることに成功した。
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