申請者は、マウスゲノムライブラリーよりマウスCYP1A2遺伝子のクローニングを行い、CYP1A2遺伝子を単離した。この遺伝子の第2エクソン又は第4エクソン内にネオマイシン耐性遺伝子発現ベクターであるpMC1neoPoly(A)を挿入し、更にその下流にチミジンキナーゼ(HSV-TK)を接続したプラスミドCYP1A2(2)neoTK及びCYP1A2(4)neoTKを作製した。各々のプラスミドをES細胞の一つであるA3-1細胞にエレクトロポレーション法により遺伝子導入し、さらにG418とガンシクロビルによるネガティブ-ポジティブ法により耐性クローンを選択した。 CYP1A2(2)neoTKを遺伝子導入した耐性細胞株は、得ることができなかったが、CYP1A2(4)neoTKを導入した耐性細胞株は、6クローン選択できた。これらのクローンが実際相同的組み換えを起こしているか否かを明らかにする目的で染色体DNAを単離した後、PCR法を行った。その結果、1個のクローンのみPCR法で相同的組み換えが起こっていることを確認した。さらに、ゲノムを用いたサザンブロット解析を行い、相同的組み換えのみが起こっているか否かを認識したところ、相同的組み換えのほかに、非相同的組み換えも起こっていることも認められ、特異的な相同的組み換えのみは起こっていなかった。したがって、胚盤胞への細胞の注入をすることができなかった。現在、他のES細胞(D3及びTT2)を用い、再度検討を行っている段階である。
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