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肺胞上皮細胞の分化のメカニズムに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 05857258
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 生物系薬学
研究機関熊本大学

研究代表者

磯濱 洋一郎  熊本大学, 薬学部, 教務員 (10240920)

研究期間 (年度) 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
1993年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード肺胞II型上皮細胞 / 分化 / beta-アドレナリン受容体 / mRNA
研究概要

肺胞II型上皮細胞は,肺の虚脱防止や気道クリアランスの効率化に重要な肺表面活性物質の産生・分泌細胞であるばかりでなく,II型細胞自身が増殖し,I型細胞へと分化することが示唆されている。しかし,この肺胞上皮細胞の分化についての研究には,その状態を測る的確な指標がないことが最大問題であった。私の肺表面活性物質の分泌機序に関するこれまでの検討により,II型細胞にbeta-アドレナリン受容体としてbeta_1-およびbeta_2-の両サブタイプが存在し,いずれも分泌を調節していることが判明した。同様の化学的刺激を受容し,同様の情報伝達系を担う,同一の機能に関わる受容体が単一の細胞に存在することの意義については不明であり,本来別々の機能を担うべきサブタイプが一時的に共通の働きに関与していた可能性も考えられる。そこで,これらの受容体をコードするmRNAの発現量を指標に肺胞上皮細胞の分化に関する基礎的検討を行った。
まず,微量の受容体mRNAの高感度定量法としてribonuclease protection assay法を応用した定量法を確立した。本法は細胞に発現するmRNAを0-60amol/mug total RNAの範囲において相関係数0.99以上の高い相関をもって特異的に定量可能な方法であった。II型細胞の初代培養を用い,beta_1-およびbeta_2-受容体のmRNA発現レベルを経時的に測定すると,beta_2-のmRNAレベルに著明な変化は無かったのに対し,beta_1-は培養2日目以降徐々に減少した。このbeta_1-受容体mRNAの減少は培養時間の経過に伴うII型細胞の肺表面活性リン脂質産生,分泌能の消失の推移とよく類似していた。これらの結果は,両受容体がそれぞれ異なる機序により発現が調節されていることを示唆するものであり,また,両サブタイプの発現量がII型細胞の分化について研究する際の全く新しい指標となる可能性も考えられる。今後,今回確立した高感度mRNA定量法を用いて,II型細胞に発現する様々な機能蛋白をコードするmRNAレベルの変化について検討するとともに,両受容体の発現レベルと細胞機能の相関についてさらに詳細な検討を行う予定である。

報告書

(1件)
  • 1993 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Y.Isohama: "Expression of both beta_1-and beta_2-adrenoceptor mRNAs in cultured rat alveolar type II ceっls" Life Sciences. 発表予定.

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] Y.Isohama: "Effect of Bakumondo-to, a Chinese medicine, on phospholipids secreation from rat alveolar type II cells culture" The Japanese Journal of Pharmacology. 発表予定.

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] 磯濱洋一郎: "気道上皮細胞の分化増殖と高分子糖タンパク分泌-in vitroにおける粘液分泌の新しい評価法-" 日本薬理学会雑誌. 102. 77-83 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] 磯濱洋一郎: "初代培養肺胞II型上皮細胞における肺表面活性物質分泌に対する麦門冬湯の作用" 漢方と免疫・アレルギー. 7. 93-101 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書

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公開日: 1993-04-01   更新日: 2018-06-07  

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