上記課題の研究を次の2つの手続きで実施した。(1)北海道の市町村自治体で実施されている地域スポーツや社会体育に関する資料を教育機関やスポーツ団体に依頼して収集した。ここで得られた資料から、過疎で悩む町村をはじめ各地で住民の健康問題や住民間のコミュニケーションづくりを意図した地域スポーツの振興が課題となっていることがあきらかになった。(2)ユニークな地域スポーツとして注目できる大樹町のミニバレー、釧路町の長ぐつアイスホッケ-などの事例について訪問して聞き取り調査を実施した。そこでは地域社会の特性(自然、歴史、産業)や住民の生活構造と関連したスポーツが考案され振興されてきたこと、そしてスポーツを通じて地域形成が期待されていることがあきらかになった。なお、こうした地域スポーツが住民の生活にいかに位置づいているか、そして地域形成にいかに機能しているかを実証的に解明することが研究の今後の課題である。
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