本研究では、教育用ソフトの魅力を、学習意欲に関係する4つの要素(注意、関連性、自信、満足感)の支援の適切性としてとらえた。そして、学習者によるソフトの印象報告と学習者特性を組合せて分析することで、各要素の支援の適切性を計量的に評価する手法の開発を目指した。 研究の次の手順で進めた。 1.各要素でのソフトの支援の度合いを表す指標を求めた。 (1)各要素に関係する印象の強さを学習者に評定法で答えさせる質問紙を作成した。 (2)質問紙の試行結果に主成分分析を適用し、評定から各要素の支援の度合いを計算する式を求めた。 2.各要素での学習者の支援必要度を表す指標を求めた。 (1)各要素に関する学習者の特性を評定法で調べる質問紙を作成した。 (2)質問紙の試行結果に主成分分析を適用し、評定から各要素の支援必要度を計算する式を求めた。 3.各要素での支援の適切性を評価する手法の開発を試みた。 1と2の質問紙を用いて、数種のソフトの評価情報を収集した。それをもとに、支援の度合いと学習者の支援必要度を算出をした。それらを2次元分割表で整理し、支援の適切性を評価する方法を考案した。 これからは、本研究で開発した手法をさらに多くのソフトの評価へ適用し、その妥当性と信頼性を検討し、研究成果をまとめたいと考えている。
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