本研究の目的は、談話レベルのおける日本語の韻律的特徴と中国語上海方言の韻律的特徴を対照させ、上海方言を母語とする学習者が日本語らしさを音声レベルで習得しやすいと思われる理由を解明するための基礎的研究を行うことである。そのため、まず日本語東京方言と中国語上海方言のサンプルを取り、それをソフト「録聞見」を用いて分析することが必要となる。今年度は学生の中から被験者を集め、そのサンプルを取った。が、当初使用を予定していた重点領域研究で開発されたソフト「録聞見」が一般の使用に供されるのが、平成6年2月となったので、ソフトの入手、及び機械の購入が年度末になってしまい、十分な分析が叶わなかった。したがって、本年度の研究実績は、主に音声サンプルの収集にとどまった。今後、引続きそれらを「録聞見」により分析する作業に入る予定である。
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