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脳のプログラム死期に生産される抗癌性蛋白質NBCFのアポトーシス:キラー蛋白質と抗キラー因子とによる神経細胞死の制御

研究課題

研究課題/領域番号 05858111
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 神経解剖学・神経病理学
研究機関広島県立大学

研究代表者

長尾 則男  広島県立大学, 生物質源学部, 助手 (40227989)

研究期間 (年度) 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
配分額 *注記
800千円 (直接経費: 800千円)
1993年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
キーワードキラー蛋白質 / 抗キラー因子 / プログラム細胞死 / アポトーシス / 神経芽種細胞 / DNA切断
研究概要

多種の細胞においてアポトーシスが起きることが現象面では分かってきたが、アポトーシスの分子機構は解析が遅滞している。我々は、モデル神経細胞として分化させたヒト神経芽腫NB1細胞が分化の程度に応じて、キラー蛋白質NBCF(マウス新生仔脳由来抗癌因子:62kDa,pI9.1)への感受性が低くなるという独自の系を用い、発生過程で見られる神経細胞のプログラム細胞死のモデル系として解析した:(1)NBCFはNB1細胞に作用して6時間で既に、約180bp単位で核DNA切断を起こしていることがアザロース電気泳動で分かったが、このことは、Zn^<2+>によってDNA切断が阻害されることと併せ、転写階段への作用というよりも既存エンドヌクレアーゼ不活性前駆体への活性化作用によってリンカーDNA切断が起こると示唆された。(2)細胞溶解はNBCF作用12時間以降24時間までなお進行し続けるが、DNA切断は12時間までで既に頭打ちになり、細胞外放出されたDNA断片も細胞内残存DNAと同程度の切断度であったので、細胞死を起こすためには、一部のリンカーDNA切断で足りることを示す。(3)ヒトグリア芽腫A172細胞由来分化因子.(36kDa,pI5.5)を投与して分化させたNB1細胞は多数の神経突起を伸展すると共に、NBCF感受性が低下するが、この時分泌される蛋白性NBCF拮抗因子(43kDa,basic)を未分化NB1細胞に作用されてもNBCF拮抗効果が見られるが、この時以外にも、DNA断片化が若千見られ、必ずしも細胞死の程度と相関してないことが分かった。このことは、早期でのリンカーDNA切断の部分的修復が起こり、アポトーシスの可逆性やアポトーシス抵抗性獲得が存在することを示唆する。(4)上記の結果はwhole cellにNBCFを作用させた場合に見られたが、NB1細胞から単離した核にNBCFを作用されるとDNA切断は全く起こらず、かつ、単離核を細胞質や細胞膜と併せてもDNA切断は起こらなかったので、細胞にbuilt inされた核外因子が関与することが必須であると示された。

報告書

(1件)
  • 1993 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Miwcc Nobuhiko: "Cytocidal action of neonatal brain-derived killer protein NBCF through partial fragmentation of nuclear DNAvia extrncellular factors in neuroblastoma cells" Proceedings of the Japanese Cancer Association. 52. 39 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] 三羽 信比古: "細胞増植制御機構におけるアスコルビン酸の生理的役割" 医学のあゆみ. 165. 894 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] 三羽 信比古: "脳神経系のプログラム細胞死とキラー蛋白質" Biomedical Gerontology. 16. 86-90 (1992)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] 三羽 信比古: "細胞死の生物学:細胞に内蔵された自殺プログラム" 東京書箱, 373 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書

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公開日: 1993-04-01   更新日: 2018-06-07  

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