研究課題/領域番号 |
05F05123
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
無機化学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
大澤 雅俊 (2006) 北海道大学, 触媒化学研究センター, 教授
佐々木 陽一 (2005) 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授
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研究分担者 |
ZHANG H-X 北海道大学, 触媒化学研究センター, 外国人特別研究員
ZHANG Hua-Xin 北海道大学, 大学院・理学研究科, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | ルテニウム複核錯体 / 自己集積化膜 / 酸化還元反応 / フロトン共役電子移動 / ルイス酸塩基反応 / 積層化膜 / 金属クラスター錯体 / 金-イオウ結合 / 集積型金属錯体 / 金基板表面 / 鉄複核錯体 / プロトン共役電子移動 / 酵素モデル反応 |
研究概要 |
精密に設計された分子連結体の合成は、ナノサイエンスの発展に欠かせない基礎的なアプローチである。研究代表者等のグループではこれまでにRu3核錯体の自己集積化膜を基盤として、その上に架橋配位子を通して新たな金属クラスター錯体ユニットを連結し、機能の集積化、多様化を実現して来た。本研究では金属クラスター錯体としてオキソ架橋Ru複核錯体を取り上げた。この複核錯体はオキソ架橋がルイス塩基中心として作用し、錯体の酸化還元機能が溶液内のルイス酸の影響を強く受ける。このようなルイス酸との相互作用は、金属中心の酸化状態により大きく変化するので、相互作用を基板の電位で制御出来る。本研究では、このような相互作用を通した集積化の基礎として、金基板上でのRu複核錯体とルイス酸との相互作用の詳細を明らかにした。(1)Ru複核錯体の金基板上への導入。オキソ架橋のtrans位へ選択的にチオール基を持つピリジン誘導体を配位させたRu複核錯体を合成し、この配位子のチオール部位で金基板とAu-S結合を形成されることで、錯体の金基板上への導入に成功した。(2)Ru複核錯体のプロトン共役電子移動。最も簡単なルイス酸としてプロトン共存下での錯体の酸化還元電位の変化を詳細に調べ、溶液内での挙動と比較考察した。錯体は溶液内と同様の酸化還元電位の変化を示し、プロトン共役電子移動機能を持つ表面の構築に成功した。(3)Ru複核錯体の各種ルイス酸との共役電子移動。ルイス酸としてBF_3、Al(III)、Na^+などを溶液内の共存させた場合、酸化還元挙動がそれぞれのルイス酸の強さに応じて大きく変化することを明らかにした。すなわち、溶存化学種のルイス酸性に敏感に反応する固体表面が構築出来た。(4)その他のオキソ架橋多核錯体の研究。オキソ架橋鉄やマンガン錯体の合成に成功し、構造決定も行ったが、それらを効率的に金基板上へ導入することにはまだ成功していない。
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